就業規則の不利益変更でトラブルにならないためのポイントとは?
従業員にとって不利益になるような就業規則の変更は、法律上可能です。
給与の項目を変更して新しい手当を設ける場合や、残業制度を固定残業制へ変更するケースがあるでしょう。
本記事では、就業規則の不利益変更をめぐるトラブルを避けるためのポイントを解説します。
就業規則の不利益変更に関する法的基準
労働条件の不利益変更とは賃金、労働条件、休日、福利厚生などが従業員にとって不利に変更されることです。
原則として、会社が一方的に行う従業員の不利になる就業規則の変更は認められていません。
しかし労働契約法第10条には、変更が「合理的なもの」であり「周知」させることを条件に、変更が可能であると記載されています。
参照:e-Gov法令検索
就業規則の不利益変更でトラブルを避ける4つのポイント
就業規則の不利益変更を進める際は、以下の4つのポイントを把握しておきましょう。
合理的な理由が必要
就業規則の不利益変更を法的に有効なものとするためには、合理的な理由が必要です。
合理性の判断基準になるのは、労働組合又は従業員の大部分の合意、不利益の程度、変更の必要性、代償措置や経過措置などの要素です。
新しい就業規則を周知する
変更された就業規則を従業員が閲覧できる状態を整えます。
例えば、「就業規則」と書かれたファイルに収め、オフィスの施錠されていないキャビネットに置いておきます。
変更点を書面にして明確にしておくのも効果的です。
従業員や労働組合の理解を得る
全ての従業員の合意が必要となるわけではありませんが、必要な資料を開示し、可能な限り理解を得るようにしましょう。
例えば賃金変更の場合は、従業員への影響が大きいため経営資料を用いて説明会を開くのも1つの方法です。
経過措置や代償措置を設ける
不利益変更による従業員への影響を緩和するために、経過措置や代償措置を設ける方法もあります。
賃金の減額を、一度ではなく長期間にわたって段階的に実施する経過措置によって従業員の抵抗感は和らぐでしょう。
福利厚生を削減する代償措置の一例として一時金の支給があります。
まとめ
就業規則の不利益変更には合理的な理由と周知が必要です。
理解を得るための説明や経過措置、代償措置などを通じて、トラブルをできるだけ避けるよう慎重に進めましょう。
労働トラブルの対応は、弁護士などの専門家のサポートを受けることをおすすめします。
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