遺留分侵害額請求とは?請求方法や時効などわかりやすく解説
遺留分侵害額請求は、兄弟姉妹以外の法定相続人が法律で定められた最低限度の遺産の取り分を侵害された場合に行う請求です。
この記事では、相続において財産を受け取れなかった時の請求方法や時効などについて解説します。
遺留分侵害額請求とは
「遺留分」とは、法定相続人に最低限保障されている財産相続分の割合です。
遺留分は被相続人の兄弟姉妹以外の法定相続人に限られる制度です。
被相続人の配偶者や子供、両親などが遺留分の権利者になります。
被相続人からの遺贈や贈与などによって遺留分が侵害された場合、遺留分侵害額請求によって侵害された分の返還請求が可能です。
遺留分侵害が発生した時の請求方法
まず、侵害している相手に直接話し合い、請求します。
請求は口頭、電話、メールなどの方法で行えます。
証拠能力の高い形式である、内容証明郵便で請求した方が良いケースもあります。
話し合いで決着がつかない場合、家庭裁判所に遺留分侵害額請求の調停を申立てます。
請求調停手続は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所、または当事者同士の合意で定める他の家庭裁判所で行います。
調停で決着しない場合は、請求者が原告となり遺留分侵害額請求訴訟を起こします。
訴訟は、被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所で行います。
遺留分侵害額が140万円以下なら簡易裁判所に、140万円以上であれば地方裁判所で提起します。
遺留分侵害額請求には時効がある
遺留分侵害額請求には3種類の時効が定められています。
「相続の開始」と「遺留分が侵害されている事実」の両方を知った日から1年が、遺留分侵害額請求権を行使できる時効です。
相続開始から10年経過すると請求する権利は自動的に消滅します。
「除斥期間」というこの期間が過ぎると、たとえ相続が発生した状況さえ知らずに経過した場合でも、遺留分侵害額請求はできません。
5年間の金銭支払請求権の時効にも注意が必要です。
書面などによる侵害額請求権行使の意思表示と同時に、この時効のカウントがスタートします。
遺留分侵害額請求権を行使しても、何もせずこの期間が過ぎると金銭請求はできなくなります。
まとめ
相続人の中の権利者は遺留分侵害額請求で、侵害された相続財産の返還を請求できます。
話し合いや調停や裁判で請求しますが、時効があるので注意が必要です。
相続手続きについては、専門家である弁護士への相談をおすすめします。
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