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問題社員を退職に追い込むことは違法?適切な方法とは

他の社員への悪影響や業務効率の低下を招く問題社員を退職させたいと思うこともあるかと思いますが、対応を誤ると違法となるリスクがあります。

本記事では、問題社員を退職に追い込むことがどのように違法となる可能性があるか、そして適切な方法について解説します。

問題社員を退職に追い込むことは違法?

 

問題社員に退職してほしいと考える場合、退職勧奨という手段をとることが考えられます。

しかし、退職勧奨が行き過ぎると、違法な退職強要と判断されてしまう可能性があります。

違法な「退職強要」とみなされる行為は、以下のような行為です。

 

  • 威圧的な態度
  • 大声での罵倒
  • 長時間の拘束を伴う話し合い
  • 執拗な退職要求

 

以上のような社員に精神的な圧力をかけたり、自由を拘束したりするような行為は、退職強要とみなされる可能性があります。

また、仮に裁判で「違法な退職強要」と判断された場合、解雇無効となったり、企業は社員に対して慰謝料などの損害賠償を請求されたりする可能性もあるため注意が必要です。

問題社員に対して適切に対応する方法

 

問題社員を辞めさせたいと感情的に考えるのではなく、まずは改善を促すため、以下のような対応を取ることが重要です。

 

  • 問題社員に対し、指導や注意をし、その客観的な記録を残す
  • 就業規則や業務評価制度に基づいて段階的に対応する
  • 指導や研修の機会を提供し、問題行動について本人の自発的改善を促す
  • 労務問題に強い弁護士などの専門家に早めに相談してリスクを把握する

最終的な対応としての退職勧奨・解雇の選択肢

 

上記の適切な対応を尽くしても改善が見られない場合、最終的な選択肢として退職勧奨や解雇が考えられます。

退職勧奨は、問題社員の自由意思を尊重する姿勢を徹底し、冷静かつ丁寧に行う必要があります。

解雇は、「客観的合理性」と「社会的相当性」がなければ無効とされるところ、そのような要件を満たすかどうかを、証拠を残すなどして説得的に説明できるようにしておかなければなりません。

具体的なとるべき行動としては、解雇を選択する前に、十分な改善機会を与えておき、その記録を残しておくことなどが挙げられますが、取るべき行動は状況によって異なるため、不安な場合は弁護士に相談しましょう。

まとめ

 

問題社員への対応は、感情的にならず、常に法的な視点を持って冷静に進めることが重要です。

必要に応じて専門家の助言を得ながら、企業と社員双方にとってより良い解決を目指すことをおすすめします。

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所属団体 大阪弁護士会
経歴
  • 平成3年3月
  • 京都大学法学部卒業
  • 大阪高・地裁、神戸地裁にて裁判所書記官等として勤務
  • 平成21年3月  京都大学法科大学院修了 
  • 平成22年9月  司法試験合格
  • 平成22年12月  司法研修所入所(新64期司法修習生)
  • 平成23年12月  弁護士登録(大阪弁護士会会員)
  • 平成24年4月  F&J法律事務所入所
講師歴
  • 税関研修所 専科研修 「刑法総論」「刑事訴訟法総論」
  • 神戸市役所 外郭団体派遣者研修「取締役の任務と責任」
  • 京都工芸繊維大学 「パワハラ・セクハラ研修」
  • 起業家のためのスタートアップ研修 「契約書の基礎知識とチェックポイント」
  • 民間企業のコンプライアンス研修
  • 関西大学、近畿大学その他関西一円の大学における公務員試験対策講座
職歴
  • 紛議調停委員会
  • 司法修習委員会

事務所概要

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